保護にあたり命名「ナラ」
名前がないのも困るので名付けました。
ナラ。
ベージュの毛皮に、青色お目目のネコ科の……ディズニー映画「ライオンキング」のメスライオンです。見た目のカラーが一緒なので。
しばらく母親に「ノラ」と間違われてました。
しかしもとは飼い猫、ちゃんとした名前があるはずなのに……本名は何だったの?

お世話係は私。夜ごはんも一緒に食べる。
この時は私が職場近くの家で独り暮らしをしていた時期なんです。

猫を保護してるのも職場の元事務所、私が住んでるのも職場に隣接、経営者の家族ということで夜間にも元事務所への出入り自由。
ということで私がお世話係です。そしてずーっと一匹で人気のない部屋に閉じ込めてるのが可哀そうで、昼食や夕食はこの保護猫部屋で一緒に食べました。

懐いてくれるわけでもありません。ただ人気が全くないのと、人がいるのとでは気持ちも違うだろうと思いまして。
これが人嫌いの野良猫なら余計警戒するだろうけど、元飼い猫なら人がいない方が寂しいのでは? と考えました。
私がいるときだけ、部屋の窓を開けて網戸にしたりもしたので(網戸にガムテを張って開けられないようにしといた)、こんな野次馬猫も。

猫の健康状態はまあまあ
お腹のボロボロ具合は日に日によくなっていきました。
そして保護してからというもの酷い下痢だったのでその時も通院しましたが、寄生虫がいるわけでもなく、一時的なものだろうということで薬の処方をされました。
寄生虫がいない=虫や鳥を食べていなかった、ということでしょう。きっと家で飼われてた猫ですから、狩猟が下手だったのではないかと推測しています……うちに来てからもちょっとどんくさい猫なので……。


数日後、警察から電話「捜索猫との特徴確認したい」「現場検証したい」
私がちょっと新幹線で出かける日に、新幹線に乗り込む直前に警察署から電話がかかってきました。
- 保健所に届け出が出ている猫がいるが、こんな特徴ですか?→いえ、違います。
- 現場検証したいのですが今日は……。→今から新幹線に乗るところなんで無理です。
猫を拾ったら現場検証があるのかー!
とちょっと面白かったです。たしか当時の首輪はちゃんと保管していて警察にも見せていました。
結局現場検証はしませんでしたが、猫を拾った現場検証、立ち会ってみたかったです。というか、猫を拾った程度で現場検証しないといけない警察も忙しくて大変ですよね。
そろそろノミダニも落ちただろうし自宅に入れることに
猫部屋での生活も終えて、ちゃんと私の家に入れることにしました。ケージも一緒に。
駆虫薬をして数日たったし下痢も落ち着いたので、家の個室にケージを置いて慣れてもらう作戦です。


犬用のケージだったものですから、天井がなくて……ひとまず段ボールで代用したんです……百均で材料揃うよ、と知ったのはこの後でした。
上に載ってるのはジジです。

一か月後にはお腹の毛も生えて来て、ごはんもよく食べ、健康な猫ちゃんに。ただ去勢がまだだったのでおトイレの匂いがきつい。ちゃんとトイレでしてくれるんだけど、匂いがきつい。



ジジちゃんと仲良くしたいらしく近づいてみたり、ジジの真似をよくしたりしてました。人間の子供か。
ジジが上手に蛇口から水を飲むのに、ナラは水を全部頭で受け止めるので飲めてないというドジっぷり。頭ビシャビシャになってるだけ。

保護して一か月なのに私のベッドでゴロゴロ、私と一緒に寝たがる。ジジのためにも部屋を別々にしていると夜泣きがすごい。
恐らくずっと人間と一緒に寝る生活をしていたんでしょう。
それだけ可愛がってもらってたのに何故、首輪をつけたままうちに来たんだい?
なぜ去勢されてないんだい?
捜索願も出されてないんだい……?
次回予告
次回、3か月経っても飼い主が見つからなかったため正式に我が家の猫になり、去勢手術へ!
飼い主は何を考えていたのか、いったいどんな家で飼われていたのか、家猫だったナラがどうやって、どんな思いで野生で生き延びてきたのか、なぜ家に帰れないのか、なぜ飼い主は警察にも保健所にも連絡していないのか――想像すると悲しくなります。
今は元気なデブ猫です。