これまでプチ毒親・プチ機能不全家族・アダルトチルドレン由来の生きづらさを振り返り、保護猫ストーリーも書いてきました。我が家には保護猫8匹、と書いてありますが、さらに1匹増え、そして2匹譲渡されるかどうかの予定です。
まだ正式譲渡ではありません。これからトライアル期間、つまりお試しお泊りの期間に出発するだけです。なのでもしかしたら帰ってくる可能性も……。
今回トライアルに出発したのは
- 白猫推定1歳。譲渡会常連。
- 黒子猫。推定生後5か月。初譲渡会。
この二匹です。鮮度のいい順として黒子猫のご紹介から。
オス猫が突然連れてきた子猫
自宅で餌やり・トイレのお世話をしている地域猫は現在5匹います。最近新入りが1匹増え、結局6匹の地域猫となりました。
その中の1匹に顔が丸々したオス猫がいます。年齢不詳だけどほっぺが丸々としているオス猫です。オス猫は年を取ってくるに従いほっぺが丸々としてきます。


どこからか高い鳴き声がする…
私が朝出かけようと玄関を出ると、おっちゃん猫と、もう一匹の声の高い鳴き声がしました。
いつものメス猫が来たのかな、と思って
今日は誰と来たん? 誰連れてきたのー?
と話しかけながらご飯を用意していると、

黒い子猫がいる!
明らかにおっちゃん猫が連れてきた感じです。
おっちゃん猫と一緒に食べたいらしく、でもお皿に顔を入れる隙間がなく周りをウロウロ……食べ終わったおっちゃん猫にスリスリ……。
しかし人間には近づいてこない。
私は石像のつもりで動かないでいると、子猫は近づいてきて恐る恐る食べだす……。
なんとかスマホで写真や動画を撮れました。




朝、昼、夕方ずっといる
ずっと見てる訳に行かないので用事を済ますためにいったん出かける。
帰ってきたらいないけど、昼頃、外から「ミャー」と甲高い声が。
案の定いました。黒子猫。網戸越しに私や家猫と面会し「ミャー」と鳴き続ける。そして勝手口のドアによっかかって休みだす子猫。
そんなコンクリートの堅いところでくつろげないでしょ~。と悲しい気持ちになりながらも放置……。
夕方、また同じ場所にいました。
しかも夕方組のメス猫に喧嘩売られてる。睨まれてる。怒られてる……。


捕獲計画を立てるがその後はどうする?
とにかく避妊手術しないと、猫は1歳未満で発情期を迎えすぐ出産します。すぐさまいつもの野良猫病院に連絡を取って、捕獲機のレンタルと手術の予約をお願いしました。同時にいつもの保護団体の人に連絡を取って相談しました。
譲渡会に出すのか? リリースするのか?
恐らく春の出産ラッシュの子猫の一匹だろうと思われる大きさ。
譲渡会では、まだまだそんな春生まれの子猫たちが貰われずに並んでいます。譲渡会に来られる方には成猫を希望される方もいます。子猫だからすぐに貰われるってわけじゃないんです。
なので譲渡会に出したとしても、貰われる可能性は低いかもしれない。
保護団体の人は
うちの団体でも、ある程度大きくて元気な子猫は元の地域にリリースしている。乳飲み子や怪我や病気をしている猫は別だけど。
たまおさんの家ではまだ里親が見つかっていない猫もいるし、その子が見つかるまでは保護せずにリリースするのも手だよ。
と言われました。
譲渡会に出ても貰われるとは限らない
譲渡会に出ても、貰われなかったら成長します。譲渡会に出ていれば貰われる可能性はありますが、当然貰われない可能性を考慮しなければなりません。
その場合、我が家では成猫を9匹飼うということになってしまいます。
それは猫的にもストレスフルで可哀そうです。
だからと言って保護団体の方でも今は満員状態。
だからこの時は手術後にリリースするつもりでいました。おっちゃん猫も面倒見てくれてたし、生きて行けるだろうな、と。
悩みながらもとにかく避妊手術は必須
捕獲機をレンタル、仕掛けた3分後に捕まった
最初に書いたように、他の新入りの猫がまだ未手術だったので、複数個捕獲機をレンタルしました。私はいつも野良猫病院でレンタルしています。
黒子猫を発見した翌日には借りて来て、黒子猫が来る時間を予測して仕掛けを設置。

二つ目の仕掛けを設置しているとき、ちらっと見に行ったら
もう捕獲されてる……
ちょろすぎない?
それだけお腹空かせてたんだろうけど、警戒心がないというか、なんというか……。
別の新入りもいるので、他にも仕掛けも設置して再度外出。
帰宅。狙い通りの新入りが捕獲されてる。
猫ちゃん、ちょろすぎない?
さらにほかの捕獲機には、すでに手術済みの猫ちゃんも捕獲されてました。
お、お前じゃないんだよ……君はもう耳カットしたから出ていいんだよ……。
保護団体の人とも話すんですが、手術済みの猫がまた捕獲されるのってあるあるです。
ケージに移動「シャー!」からのゴロゴロ
黒子猫ちゃんは仕掛けして数分後には捕獲されたのですぐさま室内の三段ケージへ移動。
「シャー! シャー!」
とは威嚇しますが、全っ然攻撃してきません。
簡単に捕獲機からケージへと移動が完了し、猫ベッドで寝てもらいました。そして簡単に撫でられて、すぐに手に頭を擦りつけて来て、喉をゴロゴロ……。
おかしいな……昨日初対面で今初めて触ったんだけど……。
トイレやご飯のお世話で何度か部屋を出入りしましたが、そのたびに「シャー!」からのゴロゴロゴロゴロ。



翌日の術後、院内でもゴロゴロすりすり
獣医「人懐っこい」
ケージからキャリーケースへの移動も、洗濯ネットへ入るのも、すごく簡単でした。
そうして手術へ……。
術後にお迎えに行ったとき、先生や、他に用事があってきていた保護団体の人と話し合いました。
初めての病院で初めての人間たちに囲まれていても、平気で抱っこされて、ゴロゴロゴロゴロ。
それを見た先生が
ものすっごいいい子だね~。
絶対元飼い猫が脱走してきたか、捨てられたかだねえ。
あ、でも蛙由来の寄生虫がいたから外猫だったんだろうね。
うちでも保護して数年後になってお尻から出て来るとか、保護した猫のお尻に卵が付いてるとかありました。
駆虫薬しても、注射しても、なかなか全滅しないケースもありました。
それにしても生後5か月の子猫が、蛙を食べてたんです。
うちの他の猫もですが、どうやって獲物を捕まえて、生きてきたんだろう……と生い立ちを想像すると悲しくなります。
獣医、保護団体、私で悩み、ネット経由の譲渡を掲載してもらう

あまりに人懐っこすぎてリリースしにくくなっていました。これから冬の厳しい季節になるのに、こんなに人懐っこい生後5か月の子猫が生きて行けるのか?
大人ならある程度野良で生きるすべを身に着けていますから、「頑張ってね」とリリースするんですが……。
悩みに悩んで、獣医はネット経由で譲渡したことがあるというので、代理で掲載をお願いしました。いろいろ不安点も相談したうえでのことです。
早速希望者が現れた! しかし条件は理想的ではない
すぐに希望者が現れ、代理掲載をしていた獣医から連絡がありました。ただ私はその方へいい印象はもちませんでした。
条件もですし、応募文も……その年で譲渡希望の文章がそれ……?という引っ掛かりを覚えました。
猫との面会を計画するが、日程調整の連絡がとれない
私個人でやり取りをするのが不安で、譲渡の経験豊富な保護団体の人に介入してもらいました。
譲渡前に猫との面会をしてもらおうと思って双方で日程調整をしようとしたんですが、丸一日、保護団体への連絡がありませんでした。
忙しくても電話かメッセージの一つくらいできるでしょ?
それすらできない人間がペットを飼うなんて無理じゃない?
不信感しかない。
獣医、保護団体と話し合い、直近の譲渡会へ
そんな状況を話し合って、直近の譲渡会への参加を決行しました。
私の本音は、ネット経由でそんな不安な相手に譲渡するよりも、譲渡会で現れる希望者さんのほうがいい。そのほうが私としては安心できるからです。
そうした本音のところも保護団体と相談したうえで、譲渡会に参加しました。

初譲渡会の参加で、いきなり運命の相手が
保護団体の人も、ここでは詳細は省きますが、私がいろいろ心配していたのと同じ点を心配していたようでした。
譲渡会は予約制。予約してこられたご夫婦がすぐに黒子猫の前で足を止めました。
どうぞ抱っこしてみてください~、と進めてみます。
早速、旦那様が黒子猫に興味をもってじーっと眺め、抱っこ……かなり長い時間抱っこ。黒子猫も落ち着いてる。
いったん別の猫を抱っこしてもらうが、そちらはすぐケージへ戻し、やっぱり黒子猫を抱っこ。
物静かな男性で、黙ってずっと抱っこされてました。黒子猫もすごい落ち着いてました。
時々保護主である私に質問するくらいです。

奥様は別の猫が気になる、その隣で黙って抱っこし続ける旦那様と黙ってくつろぐ子猫
一緒に来られた奥様は別の猫ちゃんが気になったようで、その猫について保護主さんと話してました。
その猫の顔に一目惚れし、気難しい性格というのも気に入ったようです。
奥様がいろいろ話をされてる最中も、旦那様はもうずーっと物静かに黒子猫を抱っこしてました。
その様子を見てる私は「これはもう手放せないだろうな~」と想像しつつ、そうあってくれと願いもありました。
見かねた保護団体が「2匹同時にトライアルする?」
そこで保護団体の方から
「2匹同時にトライアルしてみますか? 旦那様も気に入ってるみたいだし」
と言ってくださいました。
二匹同時にトライアル(正式譲渡前のお試し期間、お見合い期間)という手もあります。
ご夫婦二人とも猫好きさんらしく、その方向で話を進めてくださることに。有り難い!
まずは猫同士の相性を見る必要がある
とはいえ2匹は初対面同士です。そこでいったんは保護団体の方で猫同士の相性を調べる期間があります。
相性が悪ければ2匹同時のトライアルはまた検討しないといけません。
片方は大人のちょっと気難しいメス猫。
片方は人懐っこいメス子猫。
どうなるでしょうか……。私もドキドキです。うまくいってほしいです。
譲渡会では人が猫を選ぶ、猫も人を選ぶ

譲渡会では希望者さんが来られて、たくさんいる猫の中から一匹ずつ相性を確かめるパターンと、一目惚れするパターンの二通りがあります。
または、猫が人を選ぶケースもあるんです。
前に私が保護して譲渡した猫は、他の人には威嚇したりケージから出なかったりするのに、ある男性にだけは最初っから懐いていき、後に正式譲渡となりました。
今回参加した別の白猫も、普段は嫌がるのにある女の子にだけは最初から最後まで抱っこされて落ち着いてました。
猫から人を選ぶとは、私も譲渡会に参加するまでは知りませんでした。
獣医曰く「譲渡会はハードルが高いと感じる人が増えている」
最近はネット譲渡が多いという
獣医に話を聞くと、最近ではネット経由の譲渡が多く、譲渡会はハードルが高いと感じる方もいらっしゃるようです。獣医の方も、ネット経由で何匹か譲渡したそうです。
またご高齢の方は愛護センターからもらうケースもあるようです。
なぜなら、保護団体では、ある年齢以上の方に譲渡するにあたりいくつかの条件が付随するからです。ですが私の自治体の愛護センターでは、身分証明書とサインだけしてもらってその場で貰って帰るということが出来ます。
ご高齢の方の場合に一番思いつくリスクは、介護や入院や亡くなられた場合だとかにペットの世話はどうなるのか? です。
もちろん、健康な若年層でも突然の病気や事故はあります。同居家族がいても我が家のように離婚だとか、悲しい事件や事故だとか、災害だとか、いろんなリスクがあるので必ずしも「高齢がいけないのか! 若くなければ飼えないのか!」というわけではありません。
若くても「譲渡したくないな……」と感じる人もいます。
それでも飼いたいという気持ちのある人は多く、ネットで個人間での譲渡が多くなっているようです。

保護団体の条件が厳しい
保護団体によっては条件が厳しいところもあり、飼いたくても飼えないことがあります。
実際に来られた方からも
「ある保護団体では、家に必ず誰かがいる状態でなければ譲渡できないと言われて諦めた。知人に聞いてこちらに来たんです」
と伺いました。常に誰かが在宅なんて、実際は無理です。共働き、学校、用事で出かける……今はそんなの当り前です。
また私がお世話になってる保護団体では譲渡には費用が発生します。
それは保護した猫の手術代や治療費を、里親さんにも一部負担をお願いするということです。高額ではありませんが安くはありません。中にはその金額を聞いてやめるという人もいるそうです。一方で「全然気にしません」という方もいらっしゃいます。
嫌がる人というのは
「元野良猫なんだから無償でもらえると思ってた」
「お金払うぐらいなら愛護センターで貰おう」
という気持ちでしょうか?
猫を大事にしてくれるなら後者の場合でも全然いいと思います。
譲渡会に出る猫は避妊去勢も済んでワクチンや病気の治療も済んでます。実際にはかなり高額な費用が掛かってます。
今後、猫を飼いだすといろいろと出費がかさみます。そういう覚悟というか、金銭的余裕というか、気持ちがないと猫を飼うのはお勧めできません。

それでも譲渡会のメリットを大事にしたい
ネット譲渡のほうが見つかりやすいとしてもどんな相手かわからない。だから私は直接会える譲渡会を大切にしたいです。
保護団体の提示した条件に納得してれる方、そして実際に会っていろいろ話してくれる方というのは、かなり安心して送り出せます。
先住猫や他のペットを飼っていたりすると、自然とそういう子の話を聞いたり、飼い主さんが率先して写真を見せてくれたりします。みんなペット自慢したいんですよね。
あるいは
- 「今は飼ってないけど飼いたいから引っ越しました!」
- 「まだいないけどケージやキャットタワーの準備万端です!」
- 「自分は高齢だけど同居の子供たちが納得してくれている」
- 「猫のために子供がバイトを始める」
などなど猫を飼うにあたって、かなりの意気込みや気合を持ってくださる方々もいます。
正式譲渡が決まるまではわからない
こうして突然現れた黒子猫はトライアルへ向けての前準備へと旅立ちました。2匹同時トライアルなので、その猫ちゃんと相性が悪ければ希望者さんがどちらかだけを選び、黒子猫が出戻りしてくる可能性もあります。
今回は白猫もトライアルが決定しましたが、こちらも正式譲渡が決まらず帰ってくるかもしれない……。
2匹とも素敵な家庭で可愛がって生涯を幸せに過ごしてほしいです。
