こんにちは。実は20代後半には婚活をしていたプチ毒親育ちです。当時を振り返って、過去の私へ見せてあげたいブログを運営中です。
前回はセクマイなのか? 毒親育ち・アダルトチルドレン由来の人と親密な関係を作れない=恋愛出来ないなのか? という悩みをもとに、今なセクマイを自称していたい、という結論になりました。

その後、「毒親」と「恋愛ができない」について調べてみるととても興味深い記事に出会いました。
作家・文筆家のアルテイシアさんの記事です。記事は下記の外部リンクから読めます。
アルテイシアさんというと、毒親コミック「毒親サバイバル」(菊池真理子著)にも登場しています。こちらの本はいろいろな方の体験談がサクッと読めるので、毒親のコミックエッセイを読んだことがなかった私も非常に読みやすかったです。この本をきっかけにいろいろと読めるようになりました。
私の中のアルテイシアさん=毒親サバイバー
前述したように、私にとってアルテイシアさんとは「毒親サバイバル」に登場するかっこいいお姉さん、という勝手な覚え方をしていました。恋愛や性関係も豊富というのはコミック内で語られていたのでそれもわかっています。
なので、恋愛をしない層を取り上げた記事があるとは思いもよりませんでした。
実は上記に紹介した記事にたどり着いたのは、別の記事の一覧に表示されたからでした。
まずはネット上で下記のサイトが表示されました。
毒親育ちにいいところなんかあるもの……?
どうせ「ねえよ!」っていう結論だろうな。
それか毒親育ちじゃない人が想像で書いた記事とか。
とかなり懐疑的に……。
開いて、「アルテイシア」さんの記事と知って
アルテイシアさんって、あの毒親サバイバルの!
めっちゃ当事者じゃん!
と読む姿勢が変わりました。それで見る姿勢がちょっと変わったおかげで、横にある「注目記事」から「恋愛に興味がない私はおかしいの?」の文字が飛び込んできました。
プチ毒親育ち、恋愛感情がわからない…普通になれるものならなりたい
記事内でも、「毒親サバイバル」内でも、アルテイシアさんの恋愛遍歴や奔放なところは触れられています。
その彼女のもとへは「恋愛できない悩み」もやってくるようです。
読んでいて、共感の嵐!
そして言いたいことをアルテイシアさんがすごく的確にかつユーモアに指摘してくれてる!
「それはまだ好きになれる人に出会ってないだけ」「いつかあなたも恋をするから大丈夫」とか、適当なことを言うのはやめよう。
それは「いつかあなたも“普通”になれるから大丈夫」と言ってるようなもので、「人は恋愛するのが自然、恋愛しないのは不自然」という押しつけが、相手を苦しくさせているのだ。
恋愛に興味がない私はおかしいの?
友人たちから話を聞くと「恋愛感情がわからないなんて気のせいでは? まだ好きになれる人に出会ってないだけでは?」と本人が誰よりも一番考えているのだ。
「だって“普通”になれるものならなりたいから。その方がどう考えても生きるのが楽じゃないですか。でも、どうやってもわからないものはわからない。自分はこういう人間なんだ、と認めることで楽になりました」
私も自分の親は“普通”だと思いたかった。でもどうやっても親を好きになれなくて、親といると苦しくて、自分の親は毒親だと認めることで生きやすくなった。
恋愛に興味がない私はおかしいの?(太字強調は執筆者によるもの)
仰る通り! 心の中で拍手喝采です。
私は自分が生きづらいとか、プチ毒親育ちとか、気づく前から「普通じゃない」「人を好きになれないなんて異常者、欠陥だ」と思っていました。また毒親にもそう言われ続けていました。私が毒親に刷り込まれてきた言葉はこちらにて振り返れます。


私の生きづらさ(と思っていなかったけど動画や本で指摘されてやっと気づいた)一覧はこんな感じ。

記事内の親の発言が(理想すぎて)怖ろしい
記事内には「恋愛に興味がない娘」を持つ母親からのお便りが紹介されています。
『私はアルさんのコラムを読むまで、アセクシャルという存在を知りませんでした。少し前に、娘から自分はアセクシャルだと打ち明けられました。もしコラムを読んでいなければ「まだ好きになれる人に出会ってないだけ」と返してしまったと思います。
娘が話してくれて本当によかったです。じゃないと、知らないうちに彼女を傷つけてしまったと思うので。
私は娘に「話してくれてありがとう」と言いました。そして、とにかくあなたが幸せであればいい、結婚してほしいとか子どもを産んでほしいとか思わない、あなたが自分らしく生きられるようにサポートする、と伝えました』
これを読んで「なんちゅうええ親御さんや…」と毒親育ちの全俺が涙した。こういう親御さんだから、娘さんも信頼してカムアウトできたのだろう。
恋愛に興味がない私はおかしいの?
こんな理想郷からやってきたような親御さんが存在するんですか?
えっ、怖い……夢の世界? ファンタジー? どこの世界からやってきたの? 実在するの?
どんな生活で育ったらそんな素敵なお母様になれるの???
このたった一通のお便りだけで、別世界を覗き見た気持ちです。
- 娘を異常者扱いせず
- 娘を人格否定せず
- アセクシャル・アロマンティックというものを知っても「病気扱い」せず
- 「そういうものがある」と認める懐の深さ
- 自分の知らないものを「敵」と認識せず
- 新たに受け入れる柔軟さ
- 時代に合わせてアップデートする有能さ
- アルテイシアさんのコラムを読んだということは「ネットを使っていろんなものを調べたり読むことが出来る」=新たなものに挑戦し進歩し続ける精神をもっている
このどれもが、我が家のプチ毒母にはありません。世間の同年代の人よりも遥かに時代についていけていません。そしてそれを「仕事が忙しい(娘が後継者にならない)せいだ」「教えてくれない娘のせいだ」と考えています。堂々と「子育てに失敗した」と言われました。知るかよ。
多種多様な生き方を!と言われてもやっぱり「普通になりたい」
アルテイシアさんの記事内でもあったように「普通になれるならなりたい」のが本音です。
LGBTQが叫ばれてきたおかげで少しずつ認識が広まり、パートナーシップ制度も生まれてきました。まだ差別的な見方はありますが、先人たちが声高に主張してきたおかげで少数派も認められるようになりました。
毒親問題もそうでしょう。毒親関連本を読んでいると、これまでは子供のしんどさを親のせいにすることが出来なかった、だけど声を発する人が増えたおかげで実はしんどい人が「実は自分も」と打ち明けやすくなってきました。
新しい時代、新しい問題、いろんな生き方が認められるようになるのはいいことです。でも、やっぱり、私は「普通」になりたい!

母子家庭でありながら経済的・物質的・教育的に恵まれてずっと「いい子」で育ってきました。
だけど、両親が健在で祖父母とも関係良好・ブランド品なんて雲の上だけど衣食住には困らない・勉強が出来なくて校則を守れず指導を何度も受けてやっと卒業できた子の方が、交友関係は広く、学生恋愛を楽しんだ後に自分だけの家庭を持ち、私には出来ないことをたくさんしています。私よりも「普通」に生きてます。
そんな他人じゃなくても血の繋がってる親戚だって、一時はやんちゃしながらも今では親思いの優しい大人になり、働いてパートナーを得ています。
そういう「普通」の方が、ずっと羨ましいです。
普通に親がいて、普通に反抗期があって、普通に恋愛をして、普通に働いて、普通に結婚して、普通に年をとっていきたかった。
普通になれるものなら、なりたい。
でもなれない。なろうとしても苦しい。
だから私は私のままで生きなきゃいけない、そのために今は模索している最中です。
とりあえずアルテイシアさんの書籍を買ってみたいなと思いました。読みたい本ばかり多くなっていきます。